RAWをDNGに変換してはいけない理由

RAWファイルはJPEGに比べて階調が豊富で、非破壊で編集できるなど多くのメリットがあります。そのため、RAWで撮影している人も多いのではないでしょうか。しかし、そのRAWファイルの形式はカメラメーカーによって異なり、キヤノンはCR2、ニコンはNEFと統一した形式はありません。そのためRAWファイルを編集するには、メーカーの純正ソフトかLightroom などの対応ソフトを使うしかありません。

RAWについて詳しい解説は別記事へ

解説!「RAW」ってなに?

そこで、Adobe が提唱しているのがDNGというフォーマットです。JPEGなどのようにどのソフトやデバイスでも読み込めることを目指した「RAW版JPEG」的な画像ファイル形式で、Digital Negativeの略です。DNGには今までのメーカー製のRAWに代わるものとして期待されています。ライカやRicohなどの一部メーカーでは採用されていますが、キヤノンやニコンなどの大手のメーカーがサポートしていないためあまり普及は進んでいません。

DNGのメリット

そのDNGにはメリットがいくつもあります

ファイルサイズがRAWより小さい

ファイルサイズがRAWより15-20%小さく、HDDの容量を取りがちなRAWファイルにはうれしいですね。ファイルサイズが小さくなることによる画質の劣化はありません。

dng smaller size

xmpサイドカーが不要

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Lightroomはメーカーの純正RAWファイルには直接編集データを書き込むことはできないため、カタログに加えて、xmpサイドカーというファイルに保存することができます。DNGであればDNG自体にに編集データが書き込まれるのでxmpファイルは必要ありません。そのため数KBですがHDDの軽量化になります。また、ファイル数が減って管理も楽になります。

xmpファイルに保存されているデータの詳細については別記事へ

Lightroomのxmpファイルには何が保存されているの?

ファイル破損を検知

RAWファイルはごく稀に、破損することがあります。原因は、書き込みエラー、ウィルスなどさまざまですが、破損すると開けないことが多いです。DNGではRAWファイルの破損を検知することができます。

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プレビューの読み込みが早い

Lightroomでメーカー製のRAWファイルを開くときはプレビューを別に作成しなければならず、再生に時間がかかってしまいます。しかしDNGではそれ自体にプレビューが埋め込まれているため、早く読み込まれます。

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DNGに変換する方法

上で言ったように、DNGで撮れるカメラはまだまだ少ないので、パソコンでメーカー製のRAWファイルをDNGに変換して使うのがメインになります。

①Lightroomで「読み込み」時に変換

Lightroomで写真をカタログに取り込むときに、元画像をコピー・移動・追加などと並んで、DNGに変換するオプションがあります。コピーしてDNGに変換するので元画像は削除されません。

import-dng-lr

読み込みモジュールについては別記事で詳しく書きました。

【詳説】Lightroomの「読み込み」モジュール

②Adobe DNG Converterを使う

Adobeの専用変換ソフトです。

手順

  1. DNG Converter を開く
  2. 変換したいRAWファイルが入ったフォルダを選択
  3. 変換後に保存したいフォルダを選択
  4. 名前のルールを設定。Lightroomのリネーム機能によく似ています
  5. 「変換」をクリック

dng converter windows

③Lightroomで書き出し時

Lightroom読み込み時に変換できると上で解説しました。今度はその逆書き出し時です。書き出しフォーマットでJPEGやTIFFなどと並んでDNGも選択できます。

dng convert Lightroom export

Lightroomの書き出し機能の詳しい使い方は別記事へ

【詳説】Lightroomの書き出し機能。

しかし、変換してはいけません

一度変換すると元に戻せない

RAWをDNGに変換してしまうと元に戻すことができないんです。これは何がいけないかというと、メーカー純正ソフト(キヤノンならDPP)や、DNGをサポートしていないRAW現像ソフトで現像することができなくなります。これは、違った現像ソフトによって異なる現像の「味」が楽しめるRAWファイルのメリットを損なうことになります。

オリジナル画像を埋め込めば元に戻すこともできますが、その分サイズが大きくなってしまうのであまり意味がありません。

大容量のHDDは安価に買える

DNGはRAWファイルよりも15-20%サイズが小さいことは上で言いました。確かに、例えばRAWファイルだったら1TBあるRAWデータが800GBまで圧縮されると200GBも節約できるから魅力に見えます。しかし、たかが2割です。HDDは近年大容量の物が低価格になっており現在、3TBのものがなんと約1万2千円で売っています。ですので容量の心配はありません。3TBもあれば、例えば一枚24MBのRAW写真でも約13万枚保存できる計算になります。

破損してもバックアップを取っていれば復元できる

RAWファイルは少しでも破損すると再生・編集することができません。「データの一部だけ欠けてるんだから、プレビューでも一部だけ欠けてるんだろ?」と思うかもしれませんが、破損してしまうと開くこと自体できないのです。残念ながら、その破損したRAWファイルを復元するには専門の業者に依頼しなければなりません。その価格も高額になります。ですので必ずバックアップを取っておきましょう。

変換するのが面倒

RAWのサイズが大きいほど、数が多くなるほど、変換するのに時間がかかります。多忙で時間がない人にとってはネックになります。

まとめ

DNGの「汎用RAW」というコンセプトは素晴らしいのですが、現在(2016年10月)はまだまだサポートしているカメラが少ない点と、変換すると元に戻せない点が残念なところです。

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