すぐわかる!MTF曲線の読み方

家の近所に、大手家電量販店などのカメラ屋さんはあるでしょうか?カメラ屋さんに行けば様々なレンズを試すことができます。実際に使ってみることでそのレンズの重さ、使い勝手などがわかります。

しかし、他のレンズと比較した細かな解像度はどうでしょうか?画像の中心と周辺部の解像度の比較はどうでしょうか?目視では確認しにくいですよね。レンズというのはそれぞれ解像度が良かったり悪かったりと個性があります。店ではレンズの使い勝手は試すことができても、そのレンズの解像度がどの程度良いのかはわかりにくいです。

そこで、そういった解像度を客観的に計測したのがMTF曲線です。

キヤノンやニコンなどのレンズメーカーのサイトでレンズのスペックを見ていると、以下のようなグラフを見たことがあると思います。

今回はこれを解説したいと思います。レンズは高価な買い物なので、なるべく多くの情報をもとに判断したほうがいいと思います。この読み方がわかることでレンズの特性を知ることができ、レンズ選びの参考になります。

(MTF曲線はMTF特性図とも言います)

mtf thmb

理想のレンズと現実のレンズ

理想のレンズだったら?

MTFチャートを解説する前に、もし理論上の”完璧なレンズ”があるとしたらどんなものか考えてみたいと思います。

以下のような特徴があります。

  • 歪みがない
  • 周辺光量の低下がない
  • シャープである
  • コントラストが高い

と、こんな感じです。

実際のレンズは?

では実際のレンズはどうでしょうか?

残念ながら上記のような”完璧なレンズ”は現実には存在しません。実際のレンズには必ず歪みがあったり、周辺光量の低下があったりします。たとえ100万円クラスの高価なレンズでも例外ではありません。

MTFチャートはその”ギャップ”を表したもの

MTF(Modulation Transfer Function の略)チャートとは、「”完璧なレンズ”のコントラストと解像度を、そのレンズがどのくらい達成できているか」という減点方式でレンズの性能を測るものです。

レンズが解像できる性能を測るのですが、人間の目で測るわけではありません。人間の目は人によって視力が良い人とそうでない人がいて、また、眼鏡の有無によっても視力が変わってくるからです。ですので人間の目はあてになりません。

そこで客観的に計測した結果がMTFチャートの例です。

これはどう読めばいいのでしょうか?

mtf example

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MTFチャートの読み方

横軸:単位はmm。中心から周辺までの距離。0はセンサーの中心、20はセンサーの隅

distance from center sensor

縦軸:コントラスト(解像度)を表す。1が最高、0が最低。

上で、理想のレンズと実際のレンズは違うと言いました。理想のレンズだとMTFチャートはどのようになるのでしょうか?

以下のようになります。解像度が1を保ったまま横にまっすぐな線になります。これは中心から周辺にかけてまったく解像度の落ち込みがないレンズとなります。

perfect lens mtf

しかし、冒頭でも言ったようにこのような完璧なレンズは実際には存在しません。

実際のレンズのMTFチャートは以下のようになっています(ニコンの例)。赤い線は粗いターゲット(S10とM10)のチャートをテストした結果で、青い線は細かいターゲット(S30とM30)のチャートをテストしたものです。赤い線のターゲットは青い線のターゲットよりも粗いので

完璧なレンズでは横のまっすぐな線ですが、実際のレンズは右肩下がりになっています。これがなだらかなほど性能の良いレンズであると言えます。価格も高くなります。どうしてグラフが右に行くほど落ち込む傾向にあるのでしょうか?それはレンズは周辺に行くほどゆがが大きくなり解像度やコントラストが下がるからです。

mtf example
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G(ニコンのサイトより)

MTF曲線が二つある理由

上のMTF曲線は一つしかありませんが、レンズによっては2つある場合があります。一つのときと2つのときは何が違うのでしょうか?

それは、単焦点かズームレンズかの違いです。単焦点レンズは焦点距離が一つに(上の例では50mm)に固定なのに対し、ズームレンズは焦点距離を変えることができるからです。ズームレンズの場合は広角端と望遠端の2つの表記があります。それぞれの焦点距離でS10、M10、S30、M30の2種類があります。

以下はキヤノンの例で、キヤノンでは絞りが開放時にプラスF8まで絞ったときのグラフも表示しています。

mtf thmb

良いレンズの目安とは?

「完璧なレンズは存在しない」とは言っても、実際のレンズの中に優劣はもちろんはあります。解像度が良かったり悪かったり、周辺からの落ち込みが少なかったり大きかったりと。コントラスト値がどのくらいあれば良いレンズと言えるのでしょうか?

目安としては0.6以上あれば「良いレンズ」と言われています。ただしそういったレンズは高価になる傾向があります。ですのでレンズ選びはやはり財布との相談になります。

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