すぐわかる!HDRについて

大半の写真は1シーン1枚撮っておしまいです。動きの激しい被写体には連写することはありますが、それでも1枚1枚構図は少しずつ異なります。「写真に1枚に見たままがその通りすべて写っている」と思っている人は多い思います。

しかし、1枚の写真では表現できる明るさに限界があります。すごく明るい部分に露出を合わせてしまうと、暗い部分が真っ黒になってしまったり、逆に暗い部分に露出を合わせると、明るい部分が真っ白に「飛んで」しまったという事があります。

1枚の写真のダイナミックレンジは小さい

白飛びしたり、黒つぶれする原因はダイナミックレンジが小さいためです。

ダイナミックレンジを理解するにはカメラのセンサーのしくみを理解する必要があります。シャッターが開いている間、センサーは光を受け取り、それをデータに変換します。

わかりやすくするために、センサーのピクセルをカゴに、光の量をボールに例えてみましょう。かごにボールが多いほど明るく、少ないほどピクセルは暗くなります。ガゴ(ピクセル)が大きいほど同じ時間でもたくさんのボールを受け取る事ができます。

ここで言いたいのは、カゴの大きさには限界があるので、受け取れる光には限界があるということです。

Canon EOS 70D, 17 mm, 1-125 秒 (f - 7.1)
ダイナミックレンジが小さいので、空が真っ白になってしまっている。 Canon EOS 70D, 17 mm, 1-125 秒 (f – 7.1)

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ダイナミックレンジは広げることができる

HDRは High Dynamic Range の略で、dynamic range(ダイナミックレンジ)をhighに(高く)する手法です。

一般的にHDRの解説というと、異なる露出の写真をLightroomなどの対応ソフトで結合する方法を指していますが、HDRはもっと広いニュアンスを含んでいます。

結合以外でダイナミックレンジを広くする方法

  • 光源を調整
  • NDフィルタを使う
  • コントラストマスク
  • RAWファイルのシャドウ部とハイライトを調整

ダイナミックレンジについて詳しくは別記事へ

知っておきたい!ダイナミックレンジについて

この記事での「HDR」は、露出の異なる複数の写真を合成することを指しています。

撮影編

HDRが最適な例

以下のように明るい部分と暗い部分の差が大きいシーンにHDRは最適です。

  • 建物:人を撮るときにはフラッシュを使えば人の距離と大きさがフラッシュの範囲内にあるので簡単に明るくすることができます。しかし建物はそうはいきません。建物が暗いからといってフラッシュで明るくするには大きすぎるからです。その建物を普通に撮ると、空が真っ白に飛んでしまいます。空に露出を合わせると建物が暗くなってしまいます。こういったシーンではHDRが向いています。
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Canon EOS 60D, 24 mm, 1-320 秒 (f – 9.0)
  • 夕日:太陽という強い光が入ってしまうと、適正露出では被写体が暗くなりすぎ、手前の風景がシルエットになってしまいます。こういったシーンにHDRは最適です。
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太陽が明るすぎるので、手前の風景が真っ黒に潰れてしまっている。 Canon EOS 60D, 200 mm, 1-1600 秒 (f – 13)

HDRが苦手な例

動きのある被写体を撮ると、ソフトで合成したときにその動いた場所に奇妙な「跡」がついてしまうのでHDRには向いていません。

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撮り方

コンパクトデジカメでも撮ることはできますが、ここでは一眼レフで撮ることを想定しています。

モードは「プログラムモード(SSと絞りを自動)」でも「絞り優先」でもどっちでもいいですが、AEB(オートブラケット)を合わせて使うと良いでしょう。AEBとは、露出計の±の幅をセットし、シャッターを押すたびにその露出に自動的に切り替わる機能です。

aeb setting canon

その他注意する点です。

  • RAWで撮る
  • 連写
  • 同じ構図(必ずしも三脚は必要ありません)
  • ブレない
  • 被写体が動かない
  • 最低でも3枚撮る

あると便利なアクセサリ

大抵はカメラだけで事足りますが、あると便利なグッズです。

  • 三脚
  • 一脚
  • 露出計
  • レリーズ
  • NDフィルター

ソフトで結合

以下の写真の1枚目はカメラの「適正露出」で撮ったもので、2枚めはあえて露出を暗くすることでハイライトのディテールを維持しています、3枚目はオーバー(明るく)で撮って、暗い部分のディテールがわかるようにしています。

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これをHDRに対応したソフトに取り込みます。ここではAdobe Lightroomを使用します。

Lightroomで取り込んだ写真を 選択>右クリック>写真を結合>HDR

hdr-merge-lr

専用ソフトのHDR結合では、位置揃えに加えて、本来はPhotoshopなどで描画モードやレイヤーマスクなどの複雑な操作をしなければならなかったトーンマッピングというものを自動で行なってくれます。

(トーンマッピングについての詳しい解説は割愛させていただきます。)

  1. 項目に「自動整列」というのがあるように、連写の際に手持ちで多少位置がズレてもLightroomが自動的に調整してくれます。
  2. 「ゴースト除去量」は
  3. 自動階調」は結合したあとのDNGファイルを自動で補正するかどうかです。これにはチェックを入れておきましょう。
  4. 結合」をクリック
  5. 結合が終わったらシャドウやハイライトを補正しましょう

完了です。

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まとめ

明るすぎる部分と暗すぎる部分を同時に写すことができるのがHDRの魅力です。ぜひ自分の写真に取り入れてみましょう。

HDR写真のインスピレーションとしてFlickr500pxといった写真投稿サイトで「HDR」と検索して参考にしてみるのもいいでしょう。

(HDRを「やりすぎる」のは禁物です。写真投稿サイトではそういった例もわかります)

 

hdr-works-examples-flickr

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