知っておきたい!ダイナミックレンジについて

HDRという言葉を聞いたことはないでしょうか?HDRは「ハイ・ダイナミック・レンジ」の略なのですが、その中に「ダイナミックレンジ」という言葉があります。HDRについて解説した記事はたくさんありますが、ダイナミックレンジについて解説した記事は少ないのではないでしょうか?

今回はダイナミックレンジを解説したいと思います。

現実のモノに「真っ白」と「真っ黒」はない

現実世界のモノには影と光があります。光が当たっている方は比較的明るく、そうでないほうは比較的暗くなっています。光が強いほど明るい部分と暗い部分の差は大きくなります。しかし、「暗い」分部が完全に真っ黒であることはなく、必ず若干グレーになっています。逆に明るい部分が完全に真っ白になることはなく、若干暗くなっています。

Ball Cube & Cylinder Assignment

しかし、写真はどうでしょうか?景色を撮ったときに空が真っ白になってしまったという経験はありませんか?実際の空は真っ白でなかったのにどうしてなのでしょうか?

それはダイナミックレンジが人間の目に比べて狭いからです。

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ダイナミックレンジとは?

そのダイナミックレンジとは何でしょうか?

例えば、暗いトンネルを運転していて、明るい外に出た瞬間、一瞬だけ明るすぎてよく見えない、ということがあります。これは人間の目が暗い場所に慣れてしまったため、明るい場所に適応するのに時間がかかるためです。

似たようなことがカメラにも言えます。人間の目は暗い所と明るい部分を同時に見えることができますが、カメラにはそれができません。ダイナミックレンジとはカメラが1枚の写真で記録できる明るさの範囲のことです。これが広いほど暗い部分のディテールが保持され、明るい部分は白飛びしにくくなります。

ダイナミックレンジはあくまで「記録できる明るさの範囲」なので、どのくらい明るいものを撮れるかや、どのくらい暗いものが撮れるかを表すものではありません。撮ろうと思えばどんなに明るいものでも撮ることができます。例えば減光フィルタを使い望遠レンズで太陽も撮れます(危険ではありますが)。

以下の写真は、左はダイナミックレンジが広い例で、右はダイナミックレンジが狭い例です。左は雲のディテールやシャドウ(暗い)部分のディテールが保持されていますが、右は雲は白く飛んでしまっていて、シャドウ部は黒くつぶれてしまっています。

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デバイスのダイナミックレンジ

上ではカメラのダイナミックレンジを説明しましたが、プリンタやスキャナ、モニターにもダイナミックレンジはあります。ダイナミックレンジはF値(絞り)の段階で表されます。

  • デジタルカメラ:11段階前後
  • プリンタ:多くて5段階
  • スキャナ:8~12段階
  • モニター:6~10段階

重要なのは、人間の目の13~14段階という広さにはどのデバイスもかなわないということです。

ダイナミックレンジの広い写真を撮るには?

ダイナミックレンジが狭いのと広いのとでは表現できる明るさの幅違うことがわかりました。ダイナミックレンジの広い写真を撮るにはどうしたらいいのでしょうか?

大きいセンサーのカメラを使う

スマホ、コンデジ、デジタル一眼はそれぞれセンサーの大きさが違います。センサーはアナログの光をデジタル信号に変換するためにあるのですが、このサイズが大きいほうが一般にダイナミックレンジは広いです。

センサーサイズはしばしば「かご(籠)」に例えられます。

かごが大きければ大きいほど同じ時間シャッターが開いているとたくさんの光を取り込むことができます。カゴか空(から)だと真っ暗で、カゴが一杯だと明るい写真になります。

カゴが小さいと大きいカゴに比べて、同じ量の光(光子)が降り注いだときたくさん受け取れません。そのため情報量が少なくなってしまいます。フルサイズを使うのが理想的です。

ノイズが少ないカメラを使う

センサーサイズと少し関係ありますが、ノイズが高いISOでも少ないカメラを使うとダイナミックレンジが広くできます。シャドウ部分にノイズが少ないため、明るくしても不自然になりにくいからです。

HDR(ハイ・ダイナミックレンジ)

これについては別記事書きたいと思うのですが、簡単に言うと露出の異なる複数の写真を固定して撮り、それをPCで結合してダイナミックレンジの広い写真を作ることです。

画像フォーマット

JPEGよりもRAWで撮りましょう。RAWは階調が多いためです。JPEGは8bitで、一色あたり(RGB)256段階しかありませんが、RAWの階調はそれより多く、14bitのものもあります。14bitであれば16384段階もあります。

露出を若干アンダーで撮る

フィルムはハイライトに強いのに対し、デジタルカメラはシャドウ(暗い側)に強いです。そのため露出オーバーの写真よりも露出アンダー(暗い)写真のほうが後で「救済」できる幅が広いです。

強い光源を入れない

夜景を背景に記念写真を撮ったら自分は真っ黒にシルエットになってしまったことがあると思います。それはカメラのダイナミックレンジが狭いため、明るすぎる太陽と、暗すぎる被写体の差が大きすぎるためです。

ですので太陽や照明などの強い光源はなるべく入れないようにしましょう。

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