写真は芸術です。写真を撮るにはカメラが必要です。今回はカメラの王道と言ってもよい一眼レフカメラを解説したいと思います。
この記事は、一眼レフカメラに興味はあるけど、よく知らない方に向けて、コンパクトデジカメと比較しながら紹介したいと思います。
(もちろん、カメラはあくまで撮るためのツールで、撮るのは自分です。)
もくじ
コンデジとの違い
一眼では
一眼の大きな内部の特徴はミラーがある点です。
「一眼レフカメラ」と日本語で書いても特徴がよくわかりませんが、英語で書くとその特徴がよく理解できます。デジタル一眼レフカメラは英語でDSLRと呼ばれています。これはDigital Single Lens Reflexの頭文字を取ったもので、Digitalはデジタル、Singleは一つの、Lensはレンズ、Reflexは反射となります。最後のReflex(反射)はシャッターのミラーの反射のことで、カメラ内に45度の角度でミラーが設置されており、レンズ(図の①)から入った光がミラー(図の②)に反射し、ペンタリズム(図の⑥)に反射して目に届きます。これによって被写体をリアルタイムに見ることができます。
右手人差し指でシャッターボタンを押すと、②のミラーが跳ね上がり被写体が見えなくなります。次に④のシャッター幕が開き⑤のイメージセンサーに光を当てて画像を記録します。シャッターが終わるときは今の逆の動きになります。跳ね上がっていたミラーが降り、シャッター幕が閉じます。これが0コンマ何秒の間に起きます。
①レンズ ②被写体の光 ③ミラー ④シャッター幕 ⑤イメージセンサー ⑥ペンタリズム ⑦ビューファインダー
コンデジでは
コンパクトデジカメには一眼のようなミラーが無く、レンズから入った光は直接イメージセンサーに届きます。ですので一眼でいうビューファインダーにあたるものは液晶ディスプレイになります。シャッターを切っても作動するシャッター機構はありません。
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特徴
光学ファインダーがある
カメラには被写体を確認するしくみとして、光学ファインダーとデジタルファインダーの2種類があります。
スマホやコンデジは液晶ディスプレイで見るのでデジタルファインダーになります。一眼は少し違い、レンズを通して見る光学ファインダーです。上の一眼の断面図の②はミラーで、レンズを通った光がミラーに反射してプリズムに再反射してファインダーに届きます。光学ファインダーでは液晶ファインダーに比べて
- ディテールが見える
- タイムラグがない
というメリットがあります。
シャッターラグが少ない
コンパクトデジカメやスマホのカメラで良いシャッターチャンスと思ってシャッターを押したのに、少しタイムラグがあってチャンスを逃してしまったという経験はありませんか?一眼レフカメラならタイムラグが短いのでシャッターを押すとすぐに撮れます。
レンズを選べる
写真は空間の一部を切り取る芸術です。レンズはその切り取る角度を決める非常に重要なものです。
ちなみにレンズは「アクセサリ」ではありません。一眼は本体だけでは撮ることができず、レンズが必ず必要です。
焦点距離の短い広角から望遠まで幅広いレンズから選ぶことができます。また純正レンズだけでなくシグマやタムロンなどのサードパーティ製のレンズも利用できます。純正に比べて安価なのが特徴です。「サードパーティ製レンズは安いけど品質が悪い」というのは昔の話で、今では純正に劣らぬ品質のものも多くなっています。
レンズがたくさんあるのは主に画角が違うからです。画角とは簡単に言えば切り取る範囲のことで、広い(焦点距離が短い)ほど広く撮れて、狭い(焦点距離が長い)ほど遠くのものを大きく撮ることができます。
広角レンズと望遠レンズ
レンズによってこんなにも違います。


暗い所でも撮れる
ISO感度を高くしてもノイズが少ないので、スマホでは暗すぎて撮れないような暗い環境で手持ちでもシャッタースピードが速くできるためブレにくくなります。
ISO感度について詳しくは別記事へ
被写界深度をコントロールできる
絞り値を高く(暗く)すると被写界深度と呼ばれる、ピントが合っている前後の範囲が広くなります。また、「絞り込み」ボタンを押すことで撮る前にファインダー上でシミュレーションすることができます。
すぐ起動できる
コンデジはカメラの電源を入れても起動するまでに数秒かかるのでその間にシャッターチャンスを逃してしまうかもしれません。一眼ならスイッチをONすると0.2秒ぐらいで起動するので即座に撮ることができます。
連写ができる
動きの激しい被写体などで良く使う連写ですが、一眼の特にハイエンドな機種では1秒に10回近く連写できるものがあります。連写速度が速いだけでなくAFもしっかり追従します。
階調が豊富
センサーサイズがコンデジに比べて大きく、同じ露光時間でもその分たくさん光が取り込めるのでRAWで撮ると階調が豊富で品質の高い写真が撮れます。
階調とは表現できる色の数のことで8 bitなら各色(RGB)256色、16 bitなら各色65536色となります。


前後がボケる
一眼らしい写真の特徴の一つです。ピントが合っていない前後のモノがボケるので被写体を際だたせることができます。
グリップが握りやすい
グリップが大きくて握りやすいので持ちやすいのでブレにくくなります。
AFエリアが選べる
自動でピントを合わせてくれるAFですが、一眼ではたくさんのAFエリアの中から選ぶことができます。
AFエリアについての詳しい解説は以下へ
アクセサリが豊富
外部フラッシュ、バッテリーグリップ、ストラップ、ケース などなどアクセサリが豊富なので機能を大幅に拡張することができます。純正だけでなく、サードパーティ製にもたくさんあります。
デメリット
- 高価
- 埃に弱い
- 重い
- メンテナンスが必要
一眼の種類
大まかに3種類あります。
- 入門機:現在(2016年11月)ならキヤノンならEOS 8000DやEOS Kiss X8i、ニコンならD5500やD3400 です。
- ハイエンド:ハイアマチュアとも。入門機とプロ用の中間的存在(操作性は入門機よりも高く、価格はプロ用に比べて安いので私はおすすめします。価格帯は10~30万。キヤノンではEOS 7D Mark IIにあたる。
- プロ用:プロ向けカメラ。30万円以上はする。操作性、連写速度、耐久性、防塵防滴性能などにおいて抜群の性能を誇ります。キヤノンでいうと EOS-1D X Mark II。
です。
3種類は厳密に分けられているわけではありませんし、メーカーによっても少しづつ違います。
ここでは「入門機」と便宜上言っていますが、そう言ってしまうと「上達したら上の機種に買い換える」というニュアンスを含んでいるのであまり好きではありません。最近の「入門機種」はかなりレベルの高いものです。
一眼の3種類を見てよく疑問に思うのが「安い一眼と高価な一眼の間に画質の違いはあるか?」どうかです。プロ用のカメラは入門機に比べて画質が良いのでしょうか?
誤解を恐れずに言うと、一眼レフカメラで価格による画質の違いはありません。両者ともどっちか見分けがつかないぐらい入門機の画質は大変良いです。
では何が違うのでしょうか?それは以下のような点です。
- 操作性
- 耐久性
- 防塵防滴
- AFが速い
- 連写性能
入門でも入門機ではなくハイエンド機を買おう
「初心者はまず入門機を使い、上達してきたらハイエンドに買い替えましょう。」と言いたいところですが、カメラマンの私としては初めからハイエンド機を買うことをおすすめします。
そっちのほうが結果的に安くすむ
ハイエンド機は入門機に比べて操作性や連写性能が高い点と、プロ用に比べれば価格が安いからです。とはいっても、入門機をスキップして最初にハイエンドを買うのは確かに勇気が必要です。しかし、写真にのめり込むと、入門機では必ず物足りなくなってきます。上達したときにそれまでの入門機を捨ててハイエンドに買い換えると2重に出費がかさみます。ですので初めからハイエンドを購入することをおすすめします。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。写真をやるなら絶対に一眼レフで撮ることをオススメします。
これから一眼を選ぶ際の参考にしてもらえればと思います。